いつもより早く起きた朝。
しばらくボーっとして、「あ、今日本番か」と、ふと思い出す。
顔を洗い、軽い朝食を食べ、歯をみがく。
いつもとそう変わらない朝。
しかし、玄関のドアを閉める手には、少しだけ緊張感を感じる。
コンビニで昼食を買い、見慣れた道を自転車で走り、部室へ向かう。
部室にはすでに部員が何人かいた。
改めて、「本番の朝」ならではの心地よい緊張感を感じる。
実委のみんなで作った吊看板の下地を手に、今日の舞台、川内記念講堂へ。
始めは静かだった講堂も、集合時間になると急に慌ただしくなり、いろんなところで準備が始まる。
イス出し、譜面台出し、照明・音響準備、楽器搬入、大看板設置・・・
どれ一つ欠けても、演奏会は成り立たない。そのひとつひとつの作業を、部員が「自分たちで」行っていく。
自分も吊看板設置にとりかかる。すると、こちらから頼んだのではないのに、自然と、手の空いた人が手伝いに来てくれる。
まだ演奏会は始まっていないが、「たくさんの仲間たちとなにかを創り上げる」ということの素晴らしさを感じる。
ホール練習。
最後の練習に、皆、力が入る。
自分自身、不安を抱きながらも、本番で「ベスト」が出せますように・・・と望みをかける。
そして
本番。
あっという間に曲が終わっていく。
あんなに練習したのに、あんなにみんなで曲について話し合ったのに、
今までかけてきた時間とは関係なしに、演奏会はどんどん進む。
ついにアンコールが終わる。
演奏会ならではの、充実感と達成感と後悔と疲労とが混じりあった、なんとも言えない不思議な気持ち。
それを十分消化することなく、まずは撤収作業へ。
下手のシャッターを開けると涼しい風が入ってきた。
外は、開場前と比べて暗い。
ヒグラシの声を聞きつつ、「夏だなあ」とのんきなことを思いながら、自分も片付けにはいる。
トラックの2便が川内ホールに到着するころには、外はすっかり真っ暗。
ホールに入ると、なにか実家に帰ってきたときのような感じがして、疲れがどっとくる。
ホールにはいつもより人がいっぱいいる。
改めて、このチームのメンバーの多さを認識し、「これだけの人が演奏会に関わってたんだ」と驚く。
ミーティング後、打ち上げへ。
普段だと、少し照れくさくて言えないようなねぎらいの言葉も、すんなり出てくる。
こういうチームっていいな、と思う。
そして今、
家に着いて、この文章を書いている。
今日はほんとに長い1日だった。
でも、これまでの準備を考えると、ほんとに短い1日だった。
自分はこういう「ものづくり」が好きだ。
だから8年間も吹奏楽をやっているのかもしれない。
今日はみんな本当にお疲れ様。もうこのセリフは聞き飽きたかもしれないけど、やっぱり何度でも言いたい。
お疲れ様。
そして、次なる目標に向けて、少しづつ、また走り出そう。
安彦 でした。
つづ〜く。