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活動日誌

或る部員の話

第一に、私は素人ですので、音楽に関してほかの部員のように立派な意見を述べることはできません。ですからここでは、合奏の感想のほかにもいろいろと余計なことを述べて字数を稼ぎたいとおもいます。ある部員の1日といった感じでとらえていただければ幸いです。

 7月9日は1st ステージ最後の合奏でありました。私は8時以前にセットしておいた4つのアラームをかいくぐり、一時限の始まる30分前に目を覚ましました。すぐに出発すれば間に合ったのですが、のんびりと白米などを食べておりましたので、5分ほど遅刻する結果となりました。外は曇っていて、少し肌寒いような気温でしたが、東北大学には暑がりの方が多くいらっしゃると見えて、教室では朝から冷房がフル活動しておりました。二時限が予定より30分ほど早く終わりましたので、普段は混んでいてあまり近づけない麺食堂にて昼飯をとりました。地獄うどんという名の、たいそうインパクトのあるメニューを注文いたしたのですが、大して地獄っぽくはなかったです。麺はあまり腹にたまらないので、大盛りを注文いたしました。

 その後練習場に行きました。夕方のひどい混雑とはうってかわって、2,3人ほどしか練習しておりませんでした。この時間帯を利用しない手はありません。昼休みいっぱいを使ってロングトーンの練習をいたしました。一つ上の大学から吹奏楽を始めたという先輩がロングトーンのおかげで素晴らしい音色を手になさったという話を伺ったので、最近はロングトーンばかりであります。三時限の始まる2分ほど前に練習を切り上げました。少しくらい遅れても大して問題のない講義だったのです。ホールを出ますと、私と同じ講義を取っているはずの二人の友人がまだそこにおりました。君たちは3時限に出ないのかと尋ねますと、少しくらい遅れてもたいしたことはないという答えでしたので、その通りだろうと思いまして、私は二人を残して先に講義に向かいました。しかし、彼らは結局レポート問題の配布にも間に合わなかったようです。遅刻というものは度を超すと恐ろしいものだとひしひしと実感しつつ4時限に向かいますと、そこには3時限に顔すら出していないという私の友人がおりました。東北大学には愉快な学生が大勢おります。

 4時限終了後、用事があっていったんアパートまで帰りました。用事がすむと一通り音源や自分たちの録音を聴きながら、それに合わせて音階名で歌ったりしておりました。自分は音痴なほうですので、これが夜でしたら近所から苦情が来るところです。合奏40分前に練習場に戻りましたが、部屋に楽譜を置き忘れたのを思い起こし、再びアパートと練習場を往復するはめになりました。練習場に荷物を残し、苦い顔をしながら走り去っていく私を数人の部員が奇異の眼で見ていたということは気のせいではないでしょう。


 いよいよ合奏がはじまりました。最後ということもあってか、みな素晴らしい集中力で、基礎練も普段より整っているように感じられました。基礎練の一環で音階名を声に出して歌うというものがあります。私は先ほど述べましたとおり音痴でありますので、いつも後ろからサックスとかチューバとかに殴られはしないかとひやひやしていましたが、とうとう何も起きずにサマコン前最後の基礎練を終えることができました。今日は3曲すべての曲を一通りさらい、3曲とも記録係の方が録音してくださいました。


レイズは、きれいなメロディーが随所にある曲ですので、私はしばしば調子に乗って拍を外してしまいます。今回は中間部のメロディーの歌い方が足りないという指摘がありました。私は歌い方の研究はまだほとんど行っておりませんので、うまい人から真似ていきたいと思います。この曲は3曲の中では最も完成度が高いように思われます。最初の和音などは素人耳からするととてもきれいに決まっていて、テンションがあがります。

天馬はひたすら合奏やパート練でそろえてきた成果が出たのか、冒頭が、今回初めて荘厳な響きをもって聞こえました。今までは音源などに比べると細い音しか出ず、首をひねっていたのですが、初めの装飾音符を拍の頭に持ってきたのが功を奏したのでしょうか。私のパート譜の随所に見られる連譜にはいまだに弱らされております。あと二日でなんとかいたします。

科戸は、最初聴いた時はあまりに複雑でしたので嫌悪をすら覚えましたが、最近では友人と一緒になってさびの部分に教授をネタにした歌詞をつけるほどに気に入っております。こちらの細かい連譜は、素人目からすると何か別の生き物のために書かれたのではないかと思われるほど難しい動きをしたものがちらほら見られ、弱らされるどころか、無視したり、楽譜を黒く塗りつぶしたりしたくなって参ります。しかし、やはりこちらもあと二日間で完成度を高めるよりほかありません。私は曲の始終指揮者である植木マンの顔と指揮とを凝視しているのでありますが、曲が完成されていくにつれて彼の歌うような表情が増えていっているように感じます。本番ではみなで歌うような演奏がしたいと思っております。


合奏が終わり、本番の打ち合わせが終わった直後でした。不意にウェブの方に日記をつけるよう頼まれてしまったのです。私は何を書いたらいいか皆目見当もつきませんでしたので、途方にくれた揚句に、植木マンに本番を目前にした気持でもインタビューしようなどということを考えつきました。しかし彼は、自分の感じたことをそのまま書けばいいのだよ、といったきり大して取り合ってくれませんでしたので、重要なことは聞き出せませんでした。

「本番が終わった後、一番に飲みたいお酒は?」
「日本酒だね。熱燗を一杯いきたい」
「東北大学はどのような点が良い点だと思われますか?」
「緑が多いこと、それとじみなところかな」

こんな調子でございました。打ち上げのときには彼のところに日本酒と、葉っぱを数枚持って行ってあげたいと思います。代わりに、二人の友人が今日の合奏に関する意見を述べてくれました。K松君の感想といたしましては、科戸のプレスト付近で木管のテンションが上がりすぎて少し崩れてしまったが、すぐに持ち直したように思う、ということで、部日誌を2回もすっぽかしてしまっているF崎君としては、普段あまり意識しないところを録音の際に失敗してしまった、ということでした。前者は気分の高揚があってもじっくり落ち着いて演奏をしろという教訓、後者は曲の間集中力を片時もとぎらせるなという教訓を私に与えてくれたものと存じます。ありがたいことです。


大した分量になってしまいましたが、このあたりで日誌を締めたいと思います。ここまで読んで下さった方は相当時間を持て余している方々だと存じますが、この文章を書いた私に比べたら、大して暇とはいえないかもしれません。
残り期間が本当にわずかしか残されておりませんが、最後まで努力し通し、素晴らしい演奏会にしましょう。実委の方々や、彼らを支えて下さっている人たちには本当に頭が下がる思いです。

練習場を出る時、空調の設定温度が19度になっておりました。この大学で4年間も過ごせば寒さに対して相当強くなれそうです。

aquamist 07:50

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